株式会社 奥村組 代表取締役社長
奥村 太加典(おくむら たかのり)
1962年生まれ。奈良県香芝市出身。中央大学理工学部土木工学科を卒業。1986年に株式会社奥村組に入社し、2001年12月に39歳で代表取締役社長就任、現在に至る。2015から2018年まで大阪建設業協会会長、2020年より全国建設業協会会長。
フリーアナウンサー
宇賀 なつみ(うが なつみ)
1986年生まれ。東京都練馬区出身。立教大学社会学部を卒業し、テレビ朝日入社。入社当日に「報道ステーション」気象キャスターとしてデビューする。その後、同番組スポーツキャスターとして、トップアスリートへのインタビューやスポーツ中継等を務めた後、情報・バラエティ番組を幅広く担当。2019年に同局を退社しフリーランスとして活躍中。
対談の模様と
クロスイノベーションセンターの紹介は
動画でもご覧いただけます。
大阪市に拠点を置く総合建設会社の奥村組が、東京都千代田区のJPタワー22階に、新オフィス「クロスイノベーションセンター」(通称:クロスアイ)を開設。
このオフィスは、産官学民の技術者たちが領域を超えて交流し、連携を深める場とすることを目指している。
開設を記念して、フリーアナウンサーの宇賀なつみさんをお招きし、開設の経緯や奥村組が今後目指す方向性について、奥村太加典社長に話を伺った。
本日はクロスアイにお招きいただき、ありがとうございます。まるで洗練されたカフェのような空間ですね。クロスアイを開設するに至った背景について教えていただけますか。
奥村組は2019年に、将来のありたい姿を示す「2030年に向けたビジョン」を掲げました。具体的には「企業価値の向上に努め、業界内でのポジションを高める」「持続的な成長に向け事業領域を拡大し、強固な収益基盤を築く」「人を活かし、人を大切にする、社員が誇れる企業へ」という内容です。これらの実現を見据えた3つの事業戦略を推進するため、このクロスアイを設立しました。
事業戦略について、詳しく教えてください。
一つ目は「技術優位性の向上」です。総合建設会社として、技術研究・開発の推進に日々取り組んでいますが、産官学民の連携により、新たな可能性が広がると考えています。東京駅から徒歩1分という立地にクロスアイを開設しましたので、様々な分野・領域の技術者の方々にお越しいただき、交流をすることで、奥村組の技術力をさらに高度化させたいと考えています。二つ目は「新規事業の拡大」です。
奥村くみちゃんのCMでも拝見しましたが、バイオマス発電にも取り組んでいらっしゃるんですよね。
北海道の石狩新港と福島県の平田村でバイオマス発電事業を推進しています。また、発電事業に留まらず、イチゴの栽培やバナメイエビ、フグの陸上養殖にも取り組んでいます。これは、食料問題が世界的な課題となっている昨今において、少しでもその解決に貢献したいと考えたからです。奥村組は長年、土木事業と建築事業を中心に展開してきましたが、この二本柱に加えて新たな視点からもう一本、当社の柱となるような事業を模索しています。建設会社の枠を超えた総合インフラストラクチャー企業として、このクロスアイで新事業の開発を加速させていきたいと考えています。最後が「働き方改革の推進」です。
「新3K+K」を具現化するオフィス環境
建設業界というと、いわゆる3K、「きつい」、「汚い」、「危険」みたいなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、このクロスアイはそのイメージとかけ離れていますよね。
ネガティブな3Kのイメージを打破しようと、業界を挙げて「新3K+K」を目指した取り組みを推進しています。新3Kは「給料がしっかりともらえる」、「休暇が取れる」、「希望が持てる」、+Kは「かっこいい」のことで、これらを具現化するためのオフィス環境をクロスアイで提供していけるのではないかと考えています。
最後に、奥村組がクロスアイを通じて目指す未来についてお聞かせください。
奥村組の建設業界における技術優位性をさらに高めていくことは重要なテーマですが、地球規模での気候変動や食料問題といった、解決すべき社会課題も存在します。クロスアイのコンセプトは“人と技術の未来創造拠点”です。多様な人材が集い、交流・技術連携・知識融合することによるイノベーションを促進し、環境問題や食料問題にも取り組むことで、企業としてのさらなる飛躍を目指していきます。
奥村組創業地の奈良県産天然木を使用した
一枚板のカウンター
ワーカー1人ひとりのスタイルに合わせた
オフィス環境
壁面には奥村組が支援する
パラリンアートが描かれている
クロスアイは、多様な人材が集まり、イノベーションを促進する場として期待される。ここでは、一人ひとりに合った働き方が試行され、誰もが働きやすい職場環境の実現を目指す。 セミナーやワークショップ、レセプションなどコミュニケーションの促進を図る「イノベートエリア」、グループでのディスカッションに適した「クリエイトエリア」、社員の主な執務スペースとなる「ワークエリア」の3つのエリアから成る。
休憩スペースである「ならもくエリア」には、奥村組の創業地である奈良県産の天然木を使用したカウンターを配置。側面には奥村組のシンボルマークである「人」をかたどったたくさんのパーツを配し、天板の一枚板を支えている。このパーツにはあえて着色せず、それぞれの色合いや模様を活かし、 “多様な考え・個性を持つ人たちが、一つの大きなものを支えている”というメッセージを込めている。窓からは東京駅や丸の内を一望することができる。
ワーカー1人ひとりの
働き方を、効率的かつ快適に。
グループでのクリエイティブな
活動を気軽に、オープンに。
さまざまな交流の拠点として、
自由に、フレキシブルに。
制作協力 産経新聞社メディア営業局